極限芸術 - 死刑囚の表現 -

Posted on 2000.01.01

  • これまで鞆の津ミュージアムでは、既存の美術の外側で表現を続ける人々やその事物にスポットを当て、展覧会を通じてご紹介してきました。
    開館一周年を迎えるにあたって、本展で取り上げるのは、死刑確定者による表現です。日本には現在130余名の死刑確定者がいますが、その中には数十年も獄中で「その朝」が来るのを待っている人もいれば、死刑確定から数年のうちに執行されてしまう人もいます。その朝は誰にも告げられることなく、ある朝突然、刑務官から執行の告知がなされ、およそ1時間後に刑が執行されます。
    その朝の到来を常に予測して心引き裂かれ、1日毎に寸断される見通しのない時間の中で、彼らは、過去の自分を見つめ直して内省を深め、あるいは、様々な表現に取り組みながら、社会と全く隔絶された独房の中で日々過ごしています。規則と監視の中、極限の状態に置かれている日本の死刑確定者たちがつくりだす、死刑執行の不安や恐怖、孤独感の中で生まれる絵画。限られた画材を駆使して生み出す彼らの極限の芸術作品は、アートやアーティストという意識をはるかに通り越して、純粋な思いとして描かれています。
    本展は、死刑制度の是非について言及するものではなく、美術という文脈で見たときに私たちに「人は、なぜ表現するのか」という大いなる疑問を付きつけられる作品群の展示です。
    これまで大きな注目を集めることもなかった彼らの表現を、この貴重な機会に、ぜひご覧ください。
  • 極限芸術 - 死刑囚の表現 -
    2013年
    4月20日[土] ー 7月21日[日]
    • 【開館時間】午前10時〜午後5時
      【休 館 日】月曜日(祝祭日は開館し翌日休館)
      【観覧料金】一般500円
       ※小学生以下・障がいのある方 無料
      【主  催】鞆の津ミュージアム
      【協  力】死刑廃止のための大道寺幸子基金
  • 左上段、「潔白の罪」「無実という希望」 風間 博子 東京拘置所/2009.6.5[死刑確定] 右上段、「国家と殺人」 林 眞須美 大阪拘置所/2009.4.21[死刑確定]
  • 1.「思惟の慟哭」宮前 一明 東京拘置所/2005.4.7[死刑確定] 2.「獄ちゅう物語・その壱」万年三太郎 3.「獄中切手 大阪拘置所独房・日曜日のパン食」「獄中切手 大阪拘置所・独房」 小林 竜司 大阪拘置所/2011.3.25[死刑確定] 4.「合縁奇縁」若林 一行 仙台拘置所/2012.1.16[死刑確定] 5.「鉄格子の中の少女-愛と平和」 原 正志 福岡拘置所/2010.11.8[死刑確定] 6.「大根」 高橋 和利 東京拘置所/2002.10.30[死刑確定] 7.「生死の境」 松田 康敏 福岡拘置所/2007.2.6[死刑確定]/2012.3.29死刑執行 8.「まな板の上のフグ」 松田 康敏 福岡拘置所/2007.2.6[死刑確定]/2012.3.29死刑執行 9.左「雷神と龍」右「夏の絆」 北村 孝紘 福岡拘置所/2011.10.3[死刑確定] 10.「司法界のバラ」 岡下 香 東京拘置所/2005.3.3[死刑確定]/2008.4.10執行 11.「イタリア人女性画」 金川 一 福岡拘置所/1990.4.3[死刑確定]
  • 会 場 / 鞆こども園 参加費 / 各回 1,500円
    定 員 / 各回 100名(要事前申し込み・先着順)
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  • 都築 響一 (編集者・写真家)
    1956年、東京生まれ。 76年から86年までポパイ、ブルータス誌で現代美術、建築、デザイン、都市生活などの記事を主に担当する。89年から92年にかけて、1980年代の世界の現代美術の動向を包括的に網羅した全102巻の現代美術全集「アート・ランダム」を刊行。以来、現代美術、建築、写真、デザインなどの分野での執筆活動、書籍編集を続けている。現在も日本および世界のロードサイドを巡る取材を続行中。 *活動最新情報は、メルマガ「ROADSIDERS' weekly」で http://www.roadsiders.com
  • photo:Masayuki Yoshinaga
  • 審査委員として、死刑囚の絵画と長く関わってきた北川フラム。
    瀬戸内国際芸術祭を控え、彼の口から語られる真の芸術とは?
  • 北川 フラム (アートディレクター)
    1946年新潟生まれ。 アートディレクター。アートフロントギャラリー代表。74年東京藝術大学卒業。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」総合ディレクター、「にいがた水と土の芸術祭2009」ディレクター、「水都大阪2009」プロデューサー、「瀬戸内国際芸術祭」総合ディレクターなど、地域の魅力を再認識させるイベントやまちづくりに携わる。大道寺幸子基金「死刑囚表現展」では毎年審査員を務めている。
  • photo:Yuichi Noguchi
  • 朗 読「死刑囚からの手紙」
    講 演「生きること、それはじぶんを表現すること」
  • 田口 ランディ (作家) http://www.randy.jp/
    作家。2000年に長編小説「コンセント」でデビュー。以来、人間の心や家族問題、社会事件を題材にした作品を執筆している。「できればムカつかずに生きたい」で婦人公論文芸賞を受賞。小説以外にも、ノンフィクションや旅行記、対談など多彩な著述活動を展開。また、地元湯河原で「個性をだいじにする会 色えんぴつ」を立ち上げ、発達に問題を抱える当事者、家族と様々なイベントを企画している。アール・ブリュットネットワーク設立発起人の一人。
  • photo:Takahiro Okamura
  • 茂木健一郎が鞆の浦に初登場!
    彼の目に本展はどう映るのか⁉ 芸術から脳科学まで、たっぷり語りつくす!
  • 茂木 健一郎 (脳科学者)
    1962年東京生まれ。 脳科学者。 ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。専門は脳科学、認知科学。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに、文藝評論、美術評論などにも取り組んでいる。

 
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