《 ごあいさつ 》
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太陽が⻄から昇ってくるのではないことを知ってはいても、東の方角のどのあたりから昇るのか。具体的には、どの山の向こうから、どの家々の間から毎朝、顔を見せるのかは、なかなかすぐに答えられないものです。同じように、自宅で使う水道水はどの水源地から流れてきて、手のひらの中のスマートフォンを動かす電気はどんな電柱を通って送られてきているか。あるいは、いま住んでいる街の名前の由来であるとか、毎日通っている道沿いにいつの間にかできていた空き地にもともと何が建っていたのかを、皆目、思い出せない。といったこともよくあることでしょう。
いつも変わることなく昨日も今日も明日も到来すると思っているものを日常と呼ぶ、とします。そのようにありふれたなじみのある日常の断片は、ふだん、それほど意識にのぼってくることはありません。身近すぎて特段、注意を向けることがないからこそ、全然知らないことだらけというわけです。とはいえもちろん、誰かに知られていてもいなくても、遠くであれ近くであれ、私たちの日常がくりひろげられるそれぞれの現在地には、固有の自然や歴史や人間関係のなりゆきがあり、それにねざした、あるいは翻弄される無数の生や死があります。
本展は、ある特定の地域や空間で経験された出来事やある限られた場所にしかないものをめぐって生み出された独自の創作的表現をお伝えするものです。どんな日常もいつかどこかで必ず終わり、ただなくなって忘れ去られていきますが、現にあった「ここ」のことがらをつぶさに見聞きした結実としてのそれらの表現は、そこにあるのに知ることのなかった日常の幅と厚みを伝えてくれるでしょう。そこには、私たちの様々な「普通」が映し出されているに違いありません。
《 出展者 》
永沼 幸子
古谷 巌
高田 周
伊藤 益郎
桜水 孝一
米田 寿美
鴻池 朋子
水落 裕子
石月 誠人
◎イベント情報◎ ※イベントは終了いたしました。
小島美羽トークイベント
2019年12月21日(土)
詳細→こちら
鴻池朋子トークイベント
2020年1月26日(日)
詳細→こちら
【 展覧会情報 】
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会期 | 2019 年 11 月9日(土)〜 2020 年 3 月 8 日(日)
時間 | 10:00〜17:00
休館 | 月・火曜日(ただし祝祭日は開館。年末年始〈12/30〜1/3〉は休み)
会場 | 鞆の津ミュージアム(広島県福山市鞆町鞆 271-1)
入場無料
主催 | 社会福祉法人創樹会 鞆の津ミュージアム
協力 | みはらアーカイブス、特別養護老人ホーム 淡路ふくろうの郷、アノニム・ギャラリー、藁工ミュージアム、ハンズクラフト秋田、関越自動車道 越後川口サービスエリア、NPO法人 地域たすけあいネットワーク、遺品整理クリーンサービス(株式会社ToDo-Company)