< 展覧会 >
広島県知的障害者福祉協会 第四回作品展
『どや、〇〇じゃろ!』展
広島県知的障害者福祉協会 事業部会 文化・芸術活動の部では、昨年度に引き続き、日々、事業所や家庭で創作されている障がいのある人たちの作品をご紹介する作品展を開催致します。
この作品展は、これまで創作活動に取り組んできた事業所の皆さんに呼びかけ、ジャンルの違いや上手下手など様々な評価を乗り越えた「私のところの素敵な作品」たちに登場を願うものであり、「どや、〇〇じゃろ!」という、お互いの自慢話に花を咲かせようと企画されました。お陰様でこの作品展をとおして、「こんなのはいいね!」「こんな考え方や表現もあるんだ!」「私のところにもこんな人がいる!」「よしっ、うちでも取り組んでみるか!」と発奮してくださる支援スタッフの支援スタッフの皆さんが多くなっていると聞きました。
第4回目となる今回展も、生活や活動の中から生まれた楽しい表現や素敵な作品をご紹介し、その嬉しさや力強さを多くの人々に発信したいと思います。今回も会場を「鞆の津ミュージアム」にて開催します。
是非、ご覧いただき、障がいのある人たちの人生を彩るひとつの手段として「障害のある人たちの文化・芸術活動」に目を向けていただければ幸いです。
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日 時:2017年9月3日(日)〜9月18日(月・祝)
時 間:10:00〜17:00
休館日:月・火曜日(ただし、祝祭日は開館)
会 場:鞆の津ミュージアム
主 催:広島県知的障害者福祉協会 文化・芸術活動の部
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場 所:鞆の津ミュージアム館内
みなさま、ぜひ、ご体験ください。
場 所:鞆の津ミュージアム館内
定 員:15〜20名程度
参加費:無料
? 版画を刷れる布
Tシャツ、エコバック、端切れなど、なんでもOKです。
※ 油性の黒インクで印刷するため、生地の色が濃いと、絵が見えにくくなります。
※ タオルなど起毛が多いものは適しません。
? 下絵
版画にしたい自作の絵、Tシャツにしたい写真、コピーライトフリーなデザインなど、好きな下絵をご準備ください。当日、その場で描いてもOKです。
? その他
汚れてもいい服装でのご参加、またはエプロンなどをご用意ください
広島平和記念資料館所蔵「原爆の絵」(複製) 広島平和記念資料館には、市民が自らの被爆体験にもとづき描いた絵が収蔵されている。原爆の実相を伝えるこれらの絵は、NHKなどの呼びかけによって1974年-75年、2002年の2度にわたって収集された。その他にも寄贈された作品を含めると、総数は約4,000点を超える。本展では、それらの原画をもとに複製した「原爆の絵」数点を展示。
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広島県立福山工業高等学校電子機械科 広島県内の歴史・遺産を継承するため、2010年より、被爆地である広島の街並などをCGやVRで再現するプロジェクトを開始。本展では、被爆の記憶を継承する試みとして、中国軍幹部司令部に学徒動員され勤務していた岡ヨシエ氏の証言や研究部独自の調査をもとに、原爆投下時における司令部の様子をCGで再現した『継承〜中国軍幹部司令部』を上映する。
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A3BC:反戦・反核・版画コレクティブ
2014年結成。新宿「Irregular Rhythm Asylum」を拠点に活動する木版画集団。戦争、核兵器=虐殺の無い世界、核発電=被爆の無い世界を求め、木版画によるポスターやビラ、布バナー、Tシャツ、そしてジンを作成。それらを通じてアートとメディアと民衆の融合の可能性を探っている。本展では、戦後の原子力と戦争をめぐる歴史を表現した「反戦・反核・版画すごろく」などの作品を展示。
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平井 有太(ひらい ゆうた) 1975年東京生、NYの美大SVA卒。エネルギーのポータルサイト「ENECT」編集長。2012年、福島市にて「土壌スクリーニング・プロジェクト」事務局着任。著書『福島』、『ビオクラシー』(共にSEEDS出版)など。311以降、福島内外でインタビュー(ソーシャルスケープ)を継続中。2016年、生命と多様性、循環と持続可能性をテーマとする企画展『BIOCRACY』をChim↑Pom キュレーションのもと開催。今回は、福島を広島に伝える試み。
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©️平井有太 Courtesy of the artist and garter gallery, Tokyo. Photo by Yuki Maeda
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鈴木 智(すずき さとる) 1962年生まれ。北海道在住。本展では、自作絵本『絶滅危惧種』の原画を展示する。 |
瀬尾 夏美(せお なつみ) 1988年東京生まれ。宮城県在住。土地の人びとのことばと風景の記録を考えながら、絵や文章をつくっている。2012年より3年間、映像作家の小森はるかとともに岩手県陸前高田市に拠点を移し、制作を行う。現在は小森とのユニットで、巡回展『波のした、土のうえ』『遠い日|山の終戦』を全国各地で巡回中。去年より、陸前高田で編んだ物語『二重のまち』をもって広島を歩きはじめた。本展では、これらを組み合わせた展示を行う。
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岡部 昌生(おかべ まさお) 1942年生まれ。記憶や歴史の痕跡をテーマとしたフロッタージュ作品や土によるドローイングなど、大がかりな作品で国際的に知られる。1980年代後半より近代の痕跡を作品化するプロジェクトを国内はもとよりアジア、中東、オーストラリア等世界各地で展開。2007年ヴェネチアビエンナーレ日本館で、「わたしたちの過去に、未来はあるのか」をテーマに参加した。本展では、そのなかから被爆都市広島が旧日本軍の拠点であったという加害と被害の二つのヒロシマを象徴する旧宇品駅プラットフォームの縁石を9年かけてフロッタージュした〈THE DARK FACE OF THE LIGHT〉4000点から再構成する。
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大江 泰喜(おおえ やすき) 2001年生まれ。中学1年生の頃より、広島市内にある「ボーダレスアートスペースHAP」に通い始め、ダンボールやテープ、マジックなど身近な素材を使って創作活動を行う。2016年には、Chim↑Pomのキュレーションによる企画展『大江泰喜・会田誠「原爆が 落ちる前
落ちた後」』が開催。本展では、原爆投下「前」と「後」の原爆ドームのかたちを立体やイラストで表現した作品を展示する。 |
ガタロ 1949年生まれ。印刷会社やキャバレーのボーイ、日雇いなど様々な職業を経て、現在は、広島市内にある「基町ショッピングセンター」の清掃夫として毎朝働きながら、潜伏30年。自身の仕事道具である掃除用品を描いた絵で知られる。他方、現実社会への疑義を忘れないことを根本理念に、被爆地である広島の歴史と向き合う創作活動を続けてきた。本展では、『饗宴の森』『豚児の村』など原爆や戦争を題材に生み出された作品を展示する。
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ジミー・ツトム・ミリキタニ 1920年アメリカ生まれ。生後、親の故郷である広島で育ち、太平洋戦争開戦直前にアメリカへ戻る。第二次世界大戦中より約4年間、敵性外国人としてアメリカの日系人強制収容所で生活。戦後、料理人などを経て、晩年はニューヨークで路上生活者として暮らしながら創作活動を行っていた時期もある。2006年、自身の人生を描いたドキュメンタリー映画『ミリキタニの猫』が公開され、話題となった。2012年逝去。本展では、猫や植物など生き物や自然をはじめ、収容所の風景を描いた作品や原爆ドームを題材に制作された作品を展示する。
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ゆだ苑所蔵「被爆者の絵」 ゆだ苑は、山口県に住む原爆被爆者の支援活動や平和推進活動などを行っている施設。県内の被爆者保養施設と核兵器廃絶運動の拠点として1968年に設立された施設が前身で、山口県民の被爆者が描いた体験画も収集してきた。本展では、ゆだ苑所蔵の被爆者による絵を展示する。
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岡田 黎子(おかだ れいこ)
1929年生まれ。旧制高等女学校2年生の時に学徒動員され、毒ガスで知られる大久野島で働く。原爆投下後、市内に入り被爆者の救護支援活動をした際に二次被爆。戦後、美術教師を務めたのち、自らの戦争加害性に向き合いながら、戦時経験をもとに絵本2冊を自作し、自費出版した。証言活動や平和運動にも携わる。本展では、それら絵本の原画を展示。
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藤登 弘郎(ふじと ひろお) | |
1936年生まれ。国民学校4年生のとき、呉の学校からきのこ雲を目撃。定年退職後、被爆の記憶を後世に伝えようと、趣味を生かして創作を開始。「無言の証人」として市内に現存する被爆建物をはじめ、被爆樹木ついで原爆慰霊碑を巡って水彩画を制作し、3冊の作品集としてそれぞれ自費出版した。本展では、それらの原画を展示する。 |
横田 礼右(よこた ひろすけ)
1941年生まれ。4歳の時、爆心地より7km付近の自宅で被爆し、爆風で割れたガラスが額に突き刺さる。阪神・淡路大震災に衝撃を受けて防災士の免許そ取得後、創作活動を開始。自身の体験を伝えるべく、幼少時に目撃した被爆者の姿に触発された作品など、原爆を題材にした制作をこれまで続けてきた。本展では、自作した絵や立体作品を展示する。 |
辛木 行夫 (からき ゆきお)
1929年生まれ。爆心地より3km付近の自宅にて被爆。
勤務していた会社の国内外勤務を経て、ドイツに長期滞在。その間に絵画を学び、自ら目撃した原爆被災の様子を回想しつつ、十数年かけて連作形式の絵画を11枚制作した。その作品を展示する個展を数回開催した後、立命館大学国際平和ミュージアムに寄贈。本展では、それらの作品から5点を展示する。
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廣中 正樹(ひろなか まさき) 1939年生まれ。5歳10ヶ月のとき、爆心地より3.5km地点で被爆。定年退職後、原爆の現実を伝えようと、自身の経験と記憶にもとづき、被爆し翌日亡くなった父親との別れや当時の様子を絵と文章にまとめた。それらを紙芝居として使いながら、各地で被爆体験の証言を続けている。元・福山市原爆被害者の会会長。本展では、その自作原画を展示する。
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<鞆の津ミュージアム自主企画展>
私たちの身のまわりには、差別や偏見、それにもとづくヘイトスピーチなど、個別の生を蔑ろにする不可視の暴力や対立が日常的に存在しています。また現在でも、世界各地で命を奪い合う非道な戦争や争いは絶えることがありません。そのように、私たちの存在を交換可能な「数」として無きものとする態度には、私たちがそれぞれ様々なことを感じ思う心身をそなえた生身の人間である、という当然の事実への想像力が欠如しているのではないでしょうか。
本展は、原子爆弾で被爆した経験を持つ方や戦争経験者が自身の体験をもとに自作した創作物をはじめ、直接の戦争経験はない世代の者たちが制作した核や戦争やその記憶にまつわる表現を展示するものです。
ひとりの市民が現にこの世で体験した尋常ならざる現実にもとづく表現は、そこで感じられた「現場」の様子を伝えようとする一人称の伝言に他なりません。それは、不条理な仕方で奪われてしまった生の記録であると同時に、心に秘められている多様な想いや記憶を映し出す鏡でもあります。私たちは、自分が感じたことを直接には他者と分有できないという意味で、極めて「孤独」な存在と言えるでしょう。しかし、私たちはこの鏡を通じて個別の生とその記憶にふれることで、今ある言葉やかたちには現すことさえできないような空前絶後の現実を想像し、そのような経験を受け継いでいく機会を手に入れることができるはずです。
生の固有性をめぐるこのような交感を行う中で、私たちは互いの生を尊重し、共に在るための方法を考え始めることができるのかもしれません。
《出展作家》
廣中 正樹、辛木 行夫、横田 礼右、藤登 弘郎、岡田 黎子、ゆだ苑所蔵「被爆者の絵」、ジミー・ツトム・ミリキタニ、ガタロ、大江 泰喜、岡部 昌生、瀬尾 夏美、鈴木 智、平井 有太、A3BC:反戦・反核・版画コレクティブ、
広島県立福山工業高等学校電子機械科 計算技術研究部、広島平和記念資料館所蔵「原爆の絵」(複製)
<展覧会基本情報>
会期:2017年5月3日(水・祝)〜 8月20日(日)
開館:10:00-17:00
休館日:月・火曜日(祝祭日は開館)
観覧料:無料
主催:社会福祉法人創樹会
鞆の津ミュージアム
協力:福山市人権平和資料館、広島県立図書館、大久野島毒ガス資料館、広島県立福山工業高等学校電子機械科
計算技術研究部、福山大学人間文化学部 メディア・映像学科、gallery
G、ボーダレスアートスペースHAP、Irregular Rhythm Asylum、広島平和記念資料館、一般財団法人 山口県原爆被爆者支援センターゆだ苑、立命館大学
国際平和ミュージアム、辛木哲夫、マサ・ヨシカワ、表具処 軸源
助成:公益財団法人 福武財団
◉出展作家紹介◉
※出展作家の画像をクリックすると詳細がご覧いただけます。
廣中 正樹ひろなか まさき | 辛木 行夫 からき ゆきお | 横田 礼右 よこた ひろすけ | 藤登 弘郎 ふじと ひろお |
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岡田 黎子 おかだ れいこ | ゆだ苑所蔵「被爆者の絵」 | ガタロ | 大江 泰喜 おおえ やすき |
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岡部 昌生 おかべ まさお | ジミー・ツトム・ミリキタニ | 平井 有太 ひらいゆうた | 瀬尾 夏美 せお なつみ |
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鈴木 智 すずき さとる | A3BC:反戦・反核・ 版画コレクティブ |
広島県立福山工業高等学校 電子機械科 計算技術研究部 |
広島平和記念資料館所蔵 「原爆の絵」(複製) |
◉イベント情報◉
5月13日(土) 18:00-19:30 『椹木野衣 トークイベント』
6月17日(土) 16:00-17:00 『ガタロ トークイベント』
7月 8日(土) 13:30-17:00 『A3BC 木版画ワークショップ』
8月17日(木) 14:00-16:00 『VR体験イベント』
8月20日(日) 13:00-14:00 『廣中正樹 トークイベント』
※展覧会・イベントは、全て終了いたしました。たくさんの方のご来場、誠にありがとうございました。
みなさまのご来館、お待ちしております。
展覧会・イベントなどの情報は、随時、更新致します。
ホームページとあわせてfacebook(コチラから)もご覧下さい。
講師プロフィール
茂木 健一郎 (もぎ けんいちろう)
脳科学者。1962年東京生まれ。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。専門は、脳科学、認知科学。
「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに文藝評論、美術評論などにも取り組んでいる。
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講 師:茂木 健一郎 日 時:2017年1月29日(日) 時 間:18:00〜19:30 会 場:鞆の津ミュージアム 定 員:40名(要予約) 参加費:500円(当日、会場受付にてお支払いください。) ※予約をご希望の方は、お名前と参加人数を info@abtm.jp 宛てにメールでお知らせください。 |
講師プロフィール
布施 英利 (ふせ ひでと)
解剖学者・美術評論家。1960年生まれ。東京藝術大学・大学院美術研究科・博士課程修了(美術解剖学専攻)。東京大学医学部助手(解剖学)などを経て、現在に至る。恩師・養老孟司氏と共著『解剖の時間』を27歳で出版し、以降の著作は約50冊。テレビ出演も多い。解剖学から美術まで、幅広いテーマと取り組む。著書に『脳の中の美術館』『美の方程式』『遠近法がわかれば絵画がわかる』など。
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講 師:布施 英利 日 時:2016年11月19日(土) 時 間:18:00〜19:30 会 場:鞆の津ミュージアム 定 員:40名(要予約) 参加費:500円(当日、会場受付にてお支払いください。) ※予約をご希望の方は、お名前と参加人数を info@abtm.jp 宛てにメールでお知らせください。 |
講師プロフィール
茂木 健一郎 (もぎ けんいちろう)
脳科学者。1962年東京生まれ。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。専門は、脳科学、認知科学。
「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに文藝評論、美術評論などにも取り組んでいる。
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講 師:茂木 健一郎 日 時:2017年1月29日(日) 時 間:18:00〜19:30 会 場:鞆の津ミュージアム 定 員:40名(要予約) 参加費:500円(当日、会場受付にてお支払いください。) ※予約をご希望の方は、お名前と参加人数を info@abtm.jp 宛てにメールでお知らせください。 |
『解体新書』とは、江戸時代の医師であった杉田玄白らが私たちのからだのかたちや仕組みを伝えるために翻訳し著した書物の名前です。そこには、実際にある人体の解剖と観察にもとづいて自己を知ろうとする近代科学的な視線がつらぬかれていました。それを読むことで初めて、私たちは自らのからだの現実的な輪郭を知ることになったのです。また同時に、そうした解剖学的な知は、私たちがどのようにして今の姿になったのかという進化論的な由来を伝えるものでもありました。それは、人間と他の生物との連続性を告げることで、先祖にあたる多様な生命の営みが受け継がれて混在する結節点として自らの身体を再発見する見方を私たちに与えた、というわけです。その意味で言えば『解体新書』とは、この地上で生きるものとして人間だけを特別視することなく、多様な生の共存がすでに自らのからだにおいて実現している、という寛容な自然の歴史的現実を伝えてくれる書物でもあったといえるでしょう。
他方で、私たちのからだは、生まれてから死ぬまで常に変化し続け、同じ状態にとどまることはありません。成長して伸びたり縮んだり、凸凹と硬くなったり柔らかくなったり、密になったり粗になったりして、心身のあり方は全くもって一様ではないのです。あるいは、生まれ持ったからだが人と大きく異なっていたり、病気や事故や老化などによって身体器官の機能が失われることで、皆ができることやそれまでにできていたことがうまくやれなくなることもあるでしょう。そのような身体条件の差異や変化に直面した時でも、私たちは、もとの機能を代替する可塑的な心身能力を生かして、姿形や器官の能力を補ったり、それを超え出るための身体拡張技術を開発することによって、自らのからだの境界線を自在に書き換えたり、縫い合わせたりしながら、与えられた環境をどうにかして生き延びようとしてきました。そこにあるのは、自然/人工を分類する境界線を解きほぐし、今ある規範的な身体観や倫理を無効にするような、新たな在り方をしたからだにほかなりません。
そこで本展では、多様なからだの在り方を映し出す創作を集め、展示いたしました。私たちのからだに宿された可能性を複層的に理解し、新たなからだの見方をつくり肯定していくためにひもとくひとつの「書物」として、ここに本展を開いてみたいと思います。
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